今年の学生マッチで選抜されたチーム(スキッパー:菅原雅史選手)が7月にイタリアで行われた、ユースのマッチワールド(U23)に参加しました。
出場報告書→こちら
学生&U25を経て世界へ繋がるRed Bull Foiling Generation 2015へチャレンジ
JYMAサポート参戦選手レポートを掲載しました。
→選手レポートはこちら(PDF)
JYMA(日本ヨットマッチレース協会)は3月に開催された第4回学生&U25マッチに参加した選手の中から対象年齢の選手に対しエントリー費用のサポートを行い次世代セーリングへの挑戦をサポートしました。
ソフトバンク チーム・ジャパンのアメリカズカップ挑戦が発表されヤングアメリカズカップへの道も開かれた今 Red Bull Foiling Generation 2015にチャレンジしたヤングセーラーの今後の活躍と飛躍が非常に楽しみです。
同時に世界に遅れを取り戻すための国内基盤や様々なシステムの改革が必要と感じます。
今後もJYMAはセーラーを応援してゆきます。
レースレポート:Asia Pacific Student Cup 2013
文 / 市川航平
2013/09/17~21
我々、「月光ボーイズチーム」は9月17日~21日にシンガポールにて開催された「Asia Pacific Student Cup 2013」に参戦してきました。
この大会はアジアのユース選手をメインにアジアチャンピオンを決めるもので、我々日本チームの他に、シンガポール、マレーシア、タイ、中国、アイルランド、イタリア、オーストラリアの計8カ国から選手が集い、14チームもの参加になりました。
我々は、今年の3月に行われた大学対抗マッチから本格的にマッチレースを始めたメンバーが大半です。
ディンギーからキールボートへ舞台を変え、部活終了後も刺激的なヨットの世界に身を置いています。
マッチ歴は半年ほどと経験は浅いものの、今大会に参戦するにあたって国内のマッチレースの大会や練習を通して動作やコンビネーションの確認を進めていき、出るからには結果を求めようという気概で挑んできました。
大会で使用した艇種はSB20というバルブキールの3?4人乗りのボートで、我々日本チームは前方から、早稲田大学の加藤文弥(バウマン)、京都大学の荒川淳一(ミドル)、東京大学の中山遼平(トリマー)、早稲田大学の市川航平(ヘルムス)の4人の布陣。
予選のラウンドロビンでは、馴れない環境と高層ビルから吹き込む40°以上もの大きなシフト、そして何より艇の扱いに苦戦をしてしまい、思うようなマッチレースが出来ませんでした。
ラウンドロビンも終盤に差し掛かると、徐々に4人で思い通りに艇を動かせるようになっていき、自分たちの思い描くマッチレースの戦術に当てはめながら戦えるようになったものの、序盤に連敗を喫してしまっていた影響で、一時は次のステージに進めないかもという状況まで追い込まれてしまいました。
結局、日本とオーストラリア、そしてマレーシアの3ヶ国が同率8位、予選通過のリミットラインで並ぶものの、運良く両チームに直接対決で勝っていたのが幸いし、次のクォーターファイナルへと進出することができました。
クォーターファイナルでは、8位通過の僕らは1位で通過した地元シンガポールのナショナルチームメンバーとの対戦でしたが、予選ラウンドで苦戦しながら、時にはチームメイトと熱くぶつかリながらも、艇の扱いと戦術の組み立てを1つずつ改善してきた成果もあり、2勝1敗で相手を下し、セミファイナルへと駒を進めました。
その後も、予選2位通過のタイチームとのセミファイナル、そして昨年の優勝チームのシンガポールチームとのファイナル、ともに3戦先取の計6戦全勝で優勝を決めることが出来ました。
一進一退の気の抜けないドッグファイトは本当に白熱したもので、今でもあの時の興奮、そして最後のフィニッシュラインを切った、優勝が決まった瞬間の歓びは忘れられません。
大学ヨット部を終えてからの1年弱、キールボート、そしてマッチレースの世界に来てみて、様々な人に出会い、様々な艇種に乗らせていただいて、本当にヨットの世界は奥が深いということを感じています。
日本では若いセーラーたちにとっては、インカレなどの国内の学生同士の戦いがメジャーですが、今大会に来ていた海外の選手達は自分の思うままに、自分の夢を追いかけて、世界狭しと国外の国際大会で活躍している選手ばかりでした。
特に地元シンガポール勢のヨットにかける強い想いには、同世代のセーラーとして見習うべき点や刺激を受けることばかりでした。
シンガポール国内には全部で4つの大学がありますが、ヨットが乗れる大学はそのうちの2校のみです。
小さな対抗戦などは年に数回あるそうですが、全ての学生が国外の大会を焦点にセーリングをしています。
470やLaser、49erなどに乗るセーラーは、ユース世代にもなるとナショナルチームのメンバーのみとなり、その他の選手はキールボートの世界へと戦う舞台を変えていき、そしてその多くがマッチレースを経験していくそうです。みんなマッチレースの世界の第1線、America’s CupやWMRT(World Match Racing Tour)、アジア大会などの舞台を目指してセーリングをしていて、今大会中にシンガポールの選手と交わした会話の節々で、そのセーリングに対する「本気さ」を感じ取ることができました。
日本ではあまり知られてませんが、世界にはユース世代の為のマッチレースの大会がたくさんあります。
今回僕らが出たのはアジアのユース大会ですが、ヨーロッパユースやオーストラリアユース、ユニバーシアードワールドやU25ワールドなど、マッチの世界に踏み込む少しの勇気と興味があれば、僕らにも世界を相手に戦うステージはたくさんあるのです。
同じ大学同士の仲間と戦うインカレは、大切な仲間や同期たちと1つの目標に励んでいく素晴らしいヨット競技です。しかし、今しか出来ないヨット、若い僕らだからこそ出来るヨットはそれだけではありません。
国を越えて、再会と再戦を誓い合える友をつくれ、そしてヨットを通して世界を知ることができる。
大学4年間で終えてしまうにはあまりに勿体ない世界は僕らの前に広がっています。
ディンギーからキールボートへ!若い世代の僕らで、一緒にヨット界を盛り上げていきましょう!!
最後に、今大会に参加するにあたり、多くの方々から多大な支援をしていただきました。
このような最高の舞台に立たせていただき、本当にありがとうございました。
2012/09/19~22
レポート・写真 / 佐藤洋一、Yoshida Sailing Team
今でも準決勝のフィニッシュの瞬間が鮮明に蘇ります。レースに負けた時に一番、チャンスは一度しかなかったのだと痛感します。でもだからこそ、次を大切にしようと思う気持ちが出てくるのです。
我々Yoshida Sailing Teamは、9月19日から22日までシンガポールで行われた、Asia Pacific Students Cup 2012 Match Raceに参戦して参りました。今大会はアジア周辺諸国の学生セーラーを対象としたレースで、シンガポールやオーストラリアを始め合計7ヶ国、11艇が参戦したユースのアジア大会となりました。
2012年3月の大学対抗マッチに優勝したことで得た出場権でのエントリーで、事実上日本代表となります。そのため意気込みは十分、優勝とグッドマナーを胸に誓い大会に望みました。以前のウラジオストクやオーストラリアへの遠征時は、若手社会人の敏腕クルーを中心にチームを組んでいたのですが、今回は学生マッチということで全員学生セーラーでのチーム編成となります。関西大学の吉田工作(ヘルムス)、三重大学の佐藤洋一(トリマー)、神戸大学の有馬忠嗣(バウ)、大阪市立大学の村上雅典(ミドル)の4名で、レース艇である”レーザーSB20” に乗り込みます。
17日に現地入りした我々は、2年前に開業したマリーナベイサンズを横目に、プレスタートやスピン関係などクルーワークの最終調整を行いました。東南アジアの経済の中心地であることを象徴する高層ビル群を背景に、世界中から集まる観光客の視線を浴びながらマリーナベイでセーリングができるということで、我々は気分上々、艇は普段乗り慣れているJなどのキールボートと違いややディンギーに近い形ではありましたが、徐々に艇にも慣れていきました。
そして迎えた本番、予選はラウンドロビン,総当たりとなります。順調に勝ち進むものの地元シンガポールチームに不覚を取り5勝1敗で1日目を終えました。風は昼までは安定せず、昼近くから南東のシーブリーズが3-5m程でやってくるのですが、遺憾千万ビルに囲まれているためシフトは20度から40度の幅で1分おきに振れ安定せず、風の読みが苦しいレースとなります。夜は宿に戻りビール片手に作戦会議。翌日の作戦を練り、床に就きます。
予選4位以上が準決勝に進めるということで、できれば余裕を持って勝ち進みたいものの、やはり地元シンガポール陣が立ちはだかり、最終的に7勝3敗の4位にて準決勝へ進出。スタートでリードを奪うものの、風のシフトの読みや狭い海面での駆け引きなど、自分達のセーリングをさせてもらえない状況が続きます。
準決勝では優勝チームであるRussel Kan率いるシンガポールチームと対戦。2マッチ先取のフライトで、1ー1まで持ち込むものの結果2艇身ほどの差で敗退。一時はペナルティーを取りリードも奪っていた3マッチ目だけに、風の読み違いや判断、動作ミスが本当に悔やまれるレースとなりました。
遠征中は宿舎で各国のセーラーとドミトリー(相部屋)にて時を共にし、またシンガポールの学生らと食事やBARに行くなどして交流を深め、国境という垣根があっても僕らはセーリングという共通点を持つことでそれを乗り越え手を繋ぐことができることを実感しました。また、大会期間中にF1シンガポールグランプリが行われた関係で、フェラーリ所属のマッサやプロテニスプレーヤーの錦織圭と遭遇するなど、世界の中心にいることを改めて実感、興奮を感じました。
今回の遠征を通じて、アジア諸国のセーリング環境の整いに相乗してアジア全体のレベルが上がってきていることが垣間見得ました。またなにより、工作や有馬、雅典との同世代の繋がりをより強固にすることができ、将来自分たちが日本のセーリング界を背負っていくのだと強く認識することができました。今回のレースレポートについてはセーリング関係各誌に掲載されると思います。それを通じて他の若い世代も刺激を受けチャンスを掴み取り、一緒に日本のセーリング界を盛り上げていくきっかけになることに繋がると信じています。
我々がこうしたチャンスを掴めたのも、皆様のご支援、ご声援あってのものです。急で、無理なお願いをしたにも関わらず快くご支援いただいた、ワイレア濱口オーナーをはじめとするKYCのオーナーの方々、須磨YCのオーナーの方々、中部のオーナーの方々、関東のオーナーの方々、普段お世話になっている方々にお礼申し上げます。改めて、本当にありがとうございました。
最後に、閉会式でSMU(Singapore Management University , 今大会の共同主催)の校長がおっしゃっていた一言を載せてレポートを締めくくらせていただきます。
各国チームごとでテーブルを囲んでいる中でのスピーチでした。
「See your table. It’s the best time of your life」
僕らは最高の仲間に恵まれました。
今後も我々若い世代も皆様と一緒になってセーリング界を盛り上げていきたいと思いますので、よろしくご鞭撻のほどお願い致します。
その他、レースでの写真は
→大会ホームページ(facebook)
にございますので、ご覧ください。
» 第14回 アジアセーリング選手権(2010/3/22~29)レポート/佐藤大介
» コリアマッチカップ参戦記(2008/6/11~15) レポート/坂本亘
» セブンフィートカップ参戦記(2007/9/18) レポート/戸谷壽男
» Warren Jones International Youth Regatta参戦記(2007/2/28)レポート/長堀裕樹
» 2006年全日本選手権の写真と映像をリンクします。(2007/1/11)
» 3rd Match Racing World University Championship (2006/10/19) レポート/長堀裕樹
» マッチレース武者修行 06年夏 レポート/中村 匠
» 2021 Match Racing Event Schedule(PDF)
2021年
May/14-16
All Japan Match Race
全日本マッチレース選手権
Jul/10-11
Miyagi Match
宮城マッチ
Dec/11-12
Itoh-en Xmas Match
伊藤園Xmasチャンピオンシップ
2022年
Mar/03-06
Students & U25 National
大学&U25 マッチ
ニッポンセールトレーニング葉山(NST)のスケジュールは
→こちら
過去の大会概要・成績表
2014年
2013年以前は→こちら
Like us on Facebook!
JYMA TV