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アジアパシフィック学生マッチ2012 今でも準決勝のフィニッシュの瞬間が鮮明に蘇ります。レースに負けた時に一番、チャンスは一度しかなかったのだと痛感します。でもだからこそ、次を大切にしようと思う気持ちが出てくるのです。 我々Yoshida Sailing Teamは、9月19日から22日までシンガポールで行われた、Asia Pacific Students Cup 2012 Match Raceに参戦して参りました。今大会はアジア周辺諸国の学生セーラーを対象としたレースで、シンガポールやオーストラリアを始め合計7ヶ国、11艇が参戦したユースのアジア大会となりました。 2012年3月の大学対抗マッチに優勝したことで得た出場権でのエントリーで、事実上日本代表となります。そのため意気込みは十分、優勝とグッドマナーを胸に誓い大会に望みました。以前のウラジオストクやオーストラリアへの遠征時は、若手社会人の敏腕クルーを中心にチームを組んでいたのですが、今回は学生マッチということで全員学生セーラーでのチーム編成となります。関西大学の吉田工作(ヘルムス)、三重大学の佐藤洋一(トリマー)、神戸大学の有馬忠嗣(バウ)、大阪市立大学の村上雅典(ミドル)の4名で、レース艇である”レーザーSB20” に乗り込みます。 17日に現地入りした我々は、2年前に開業したマリーナベイサンズを横目に、プレスタートやスピン関係などクルーワークの最終調整を行いました。東南アジアの経済の中心地であることを象徴する高層ビル群を背景に、世界中から集まる観光客の視線を浴びながらマリーナベイでセーリングができるということで、我々は気分上々、艇は普段乗り慣れているJなどのキールボートと違いややディンギーに近い形ではありましたが、徐々に艇にも慣れていきました。 そして迎えた本番、予選はラウンドロビン,総当たりとなります。順調に勝ち進むものの地元シンガポールチームに不覚を取り5勝1敗で1日目を終えました。風は昼までは安定せず、昼近くから南東のシーブリーズが3-5m程でやってくるのですが、遺憾千万ビルに囲まれているためシフトは20度から40度の幅で1分おきに振れ安定せず、風の読みが苦しいレースとなります。夜は宿に戻りビール片手に作戦会議。翌日の作戦を練り、床に就きます。 予選4位以上が準決勝に進めるということで、できれば余裕を持って勝ち進みたいものの、やはり地元シンガポール陣が立ちはだかり、最終的に7勝3敗の4位にて準決勝へ進出。スタートでリードを奪うものの、風のシフトの読みや狭い海面での駆け引きなど、自分達のセーリングをさせてもらえない状況が続きます。 準決勝では優勝チームであるRussel Kan率いるシンガポールチームと対戦。2マッチ先取のフライトで、1ー1まで持ち込むものの結果2艇身ほどの差で敗退。一時はペナルティーを取りリードも奪っていた3マッチ目だけに、風の読み違いや判断、動作ミスが本当に悔やまれるレースとなりました。 今回の遠征を通じて、アジア諸国のセーリング環境の整いに相乗してアジア全体のレベルが上がってきていることが垣間見得ました。またなにより、工作や有馬、雅典との同世代の繋がりをより強固にすることができ、将来自分たちが日本のセーリング界を背負っていくのだと強く認識することができました。今回のレースレポートについてはセーリング関係各誌に掲載されると思います。それを通じて他の若い世代も刺激を受けチャンスを掴み取り、一緒に日本のセーリング界を盛り上げていくきっかけになることに繋がると信じています。 我々がこうしたチャンスを掴めたのも、皆様のご支援、ご声援あってのものです。急で、無理なお願いをしたにも関わらず快くご支援いただいた、ワイレア濱口オーナーをはじめとするKYCのオーナーの方々、須磨YCのオーナーの方々、中部のオーナーの方々、関東のオーナーの方々、普段お世話になっている方々にお礼申し上げます。改めて、本当にありがとうございました。 最後に、閉会式でSMU(Singapore Management University , 今大会の共同主催)の校長がおっしゃっていた一言を載せてレポートを締めくくらせていただきます。 今後も我々若い世代も皆様と一緒になってセーリング界を盛り上げていきたいと思いますので、よろしくご鞭撻のほどお願い致します。
予選はラウンドロビン,総当たりです。
その他、レースでの写真は |
www.matchrace.gr.jp
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