セブンフィートカップ参戦記
レポート/戸谷壽男
----------2007/9/18
ウラジオストックのセブンフィートヨットクラブが、フリートレースとマッチレースを同時に開催するビッグイベントだ。
日本ヨットマッチレース協会に数年前から毎年招待状が届いている。
ロシアでのマッチレース事情はISAFランキング5位(7月25日)のEugeniy Neugodnikovが上位につけているものの我々にとって未知の世界であり、大変興味があったので是非行ってみようという事になった。
メンバーは1年半位チームを組んでいるバウ大山秀樹、ピット窪田紀子、トリマー松石晋、スキッパー戸谷壽男に加えてメイントリマーにアドニスの紙聡。 5月に開催した南波メモリアルマッチでは2位と、このところボートスピードが上がってきているのでどんな走りが出来るのか楽しみだった。
使用艇は6艇のプラトウ25。なんと全て日本で走っていた艇であった。
余談だがハーバーには100艇近く停泊していたがその殆どは日本で走っていた艇。昔活躍していたIORボートが目っていた。Carrera、等日本の艇名をそのまま使っている艇が目立った。
参加チームはMahesh Ramchandran(インド 2006年アジア大会2位)、Robert Gibb(オーストラリア), Maxim
Logutenko他ロシアチームの全10チーム。
フルラウンドロビン、上位6位によりラウンドロビン、決勝、準決勝という対戦だ。
ラウンドロビンの結果は1位 Maxim Logutenko、2位Robert Gibb、3位TOYA、4位Mahesh Ramchandran。
上位6チームにより2回目のラウンドロビンの結果はファイナルへは1位Maxim Logoutenko、2位Mahesh Ramchandranが進みMahesh
Ramchandranが優勝、セミファイナルは3位Robert Gibbと4位TOYAが進み我々は4位という結果に終わった。
殆どのレースはスタートを制しており、上マークは先に回っているのだが不運が続いて抜かれるケースが多かった。ガードが甘い、反省。
優勝したインドのMahesh Ramchandran(ISAF Rank 93位)とクルーは全員インド海軍に所属しているそうで2006年アジア大会のマッチレースでは準優勝している。セブンフリートカップの常連だそうだがレース終了後も滞在し、その他のグレード3マッチレースにも参戦して休暇を兼ねてロシア旅行を楽しみたいと語っていた。
2位のMaxim Logutenko(ISAF Rank 302位)はセブンフィートヨットクラブの専任コーチをしており、ユースセーラーの面倒をみている。ラウンドロビンではユース代表チームが出場していたがコーチのMaximに勝って大喜びしていた。堅い走りが印象的だった。
3位のRobert Gibb(ISAF Rank 93位)は19歳のヤングセーラー。ユースインターナショナルマッチレースでは活躍しており将来が楽しみな選手。オーストラリアのUnder25ハーディーズカップではJYMAのヤングセーラー長堀祐樹君とは何度か対戦しているそうだ。今年の全日本マッチレース選手権には出場したいと意気込んでいたので実現すれば日本のセーラーとの対戦が楽しみだ。今回出場した他のロシア選手は20−30前後の若手セーラーが多く、ウラジオストックでは何らかのタイトルをもった選手が出場権を獲得したようだ。
マッチレースのテクニックはこれからだがヨットクラブ主催のフリートレースは盛んに行われているので急速に育っていくことだろう。
レーススケジュールは7月20日(金)−22日(日)。天気は19日大雨、20日雲ひとつ無い快晴で1日中12ノット前後の心地良い北風。21日は午前中無風で風待ちハーバー待機。
午後2時ころ6ノット前後の南風が吹き出した。これではラウンドロビンを消化できないのでは無いかと思ったが、サマータイムのため日が暮れるのはサマータイムのため日が暮れるのは20時近く、なんと日暮れギリギリまでレースが行われた。
うらやましい限りだ。
最終日は南15メーター、意気込んでハーバーをでたものの我々の艇はブームバング金物が破損、その他ハリヤードトラブルの艇がありハーバーバック。フリートレースに出場していたCarreraはディスマストしていた。日本から渡った中古艇が多いので強風ではトラブルがあっても不思議は無い。修理後風は8ノットまで落ちファイナルは軽風下で行われた。
大会のホスピタリティーは心温かいものがあった。といって盛大なパーティーがあったわけでは無いが運営スタッフやクラブのメンバーが暖かく迎えてくれる気持ちが伝わり、安心してレースを楽しむことができた。
今回我々がセブンフリートカップへ参加したのは単にレースで良い成績を出す事だけが目的では無かった。もちろん練習も重ね、ベストを尽くして悔いの無いレースを目指したが同時にレースを通じて選手や地元の人たちとの交流、遠征をクルーと共に楽しむことが目的だった。私もかつて数多くの海外遠征をしたが今回の遠征は今までとは違った楽しみ方をすることができた。
クルー全員が又来年も参加したいと口をそろえて言えた海外遠征だった。
日本ヨットマッチレース協会(JYMA)には海外からISAF Grade3クラスの招待状が多く届いている。自艇を持っていかなくてもクルーだけが行けば素晴らしい大会に出場することが出来る。JYMAからはEメールでメンバーにその都度インフォーメーションを流している。皆さんもこんな機会をお見逃し無く。
JYMAからのインフォーメーションは下記JYMAホームページでメーリングリスト登録をすれば届きます。
http://www.matchrace.gr.jp/mailing.html
メンバーのコメント
大山秀樹(バウ)
使用艇がP25とうこともありボートコントロールには問題無かったが、4位という(微妙な)結果に終わってしまい残念です。機会があれば、来年リベンジしに戻ってきたいです。
窪田紀子(ピット)
予想外に綺麗な町でした。仲間のフォロー と 現地の方の暖かいホスピタリティのおかげで、楽しいレガッタでした。結果などに反省点も多いものの、これは次に活かしたいと思います。
松石晋(トリマー)
ロシア在住の友人がいたこともあって自分にとって未知の地を訪れてみたかった。負ける気がしなかったが楽しいレースだった。日本の若手セーラーにも是非経験して欲しい。チームを作るだけで安価に海外レースができる。こんな良い機会を見逃す手は無いヨ。
紙聡(メイン)
勝てるレースを落としてしまい、最終的には4位となってしまいましたが、初の海外マッチレースを楽しむ事ができました。 また、何よりホストヨットクラブのホスピタリティーには感動しました。近くて遠い国ですが、来年も出場して是非ともリベンジを果たせればと思います。
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