logo
HOME
Race Schedule

今月のピックアップ
中村 匠 マッチレース武者修行 06年夏


マッチレース界ではおなじみの中村匠選手がここ数年海外で活動をしている事は皆さんもご存知かと思います。そんな海外活動の出発点ともいえるデンマーク(コペンハーゲン)にあるRoyal Match Race Centerの概要と活動内容をレポートしてもらった。
現在単身でコペンハーゲンにRace Centerでのトレーニングを重ねて8月のフランス・ロシアでのグレード1イベントに向けて照準を合わせている。
現在の彼の活動をブログで見ることが出来ます。

Royal Match Race Center

デンマークの首都、コペンハーゲン中心地から車で30分ほどのSkovshoved という町にあるマッチレースセンターがあります。デニッシュオープンの開催地であるこの地から、多くのトップマッチレースセーラーが育っています。勿論、アメリカズカップチームへスカウトされ活躍しているセーラーも少なくはありません。
アマチュアの練習環境としては、恐らく世界一と言えるこのマッチレースセンターについて紹介したいと思います。

マッチレースセンターのオフィス→
ディレクターとボートキーパーの2名体制です


1994 Skovshoved Yacht Club(SKS)と Royal Danish Yacht Club (KDY) が手を組んでMatch Race Centerを設立、SKSとKDYが3艇ずつを購入。
1996 第1回COTTON FIELD CUP 開催 (現 Danish Open)
2004 ロイヤルウェディングを記念して、DEN vs. AUS Royal Wedding Match Race開催。皇太子妃殿下がオーストラリア人という事で、両艇に皇太子、妃殿下が別れて対戦しました。
ISAF Annual Conference がコペンハーゲンで開催され、SKS/KDY Match Race Centerが中心となり Jesper Bank と Russell Coutts を招きマッチレースエキシビジョンを行う。
アテネのメダリストも多く参加した。
2005 SKSが所有する3艇をKDYが買い取り、Royal Match Race Centerとしてリニューアル。
2006 ISAF Women's Match Racing Championship 開催。
11回目となるDanish Openを8月に開催予定。

マッチレースセンター概要

現在会員数は180名、年間12〜15レースが行われています。(女子大会含む)6艇のDS37にはそれぞれスポンサーがついており、 ハルとスピンにスポンサーロゴが入っています。
ボート&スピンのスポンサーロゴ 150,000dkr/年 約300万円だそうです。
ノースセイルも格安でセールを提供し(毎年1セットデニッシュオープンに合わせて新調します)、マストメーカーのSELDEN、 ボートペイントメーカーのHEMPEL、カンパニーセイリング用ウェアをHELLY HANSEN、デンマークのウィンチメーカー ANDERSON等のメーカーからの協力も大きいようです。
その他にもデニッシュオープン開催期間中の展示スペース貸し出しや、カンパニーセイリング等でも活動資金の調達をしています。
カンパニーセイリングとは、企業がDS37を使ってレースを楽しむイベントです。マッチレースセンターが主催で行っており、メンバーがスキッパーとして各艇に乗り込み、2時間ほど簡単なフリートレースを楽しんでもらうという企画ですが、今年はたったの3ヶ月程で130回ほど行われたようです。

ヨットハーバー中心に並ぶDS37
エンジン無しですので、特等席が用意されています
DS37 コックピットが広く、非常に動きやすいです。 メインシートのシステムもシンプルですが、ラチェットを使用しない為、ものすごく思いです・・・
バウハッチ 非常にシンプルでスピンを破りにくい設計になっています。 最初飛び込むのは結構勇気がいりますが、そのうち出てくるのが嫌になってきます。 SELDEN社のマスト、2004年に新調しました。先日行われた女子ワールドで、コミッティーボートに接触し折ったようですが、翌朝には新しいマストが立っていたそうです・・・

会員制度

会員となるには、KDYもしくはSKSのメンバーシップと、Match Race Centerへの入会料約3万円で1年間自由にボートを使用することができます、毎回のチャーターボート代は必要ありません。
ただし、5月から9月は平日18時から20時の時間帯で希望者が多いため、ランキングとヘルピングポイントにて優先的に希望日(曜日)を決めることができます。それ以外の時間帯は殆ど希望通り船を借りることが出来ます。
基本的に多くのチームがほぼ毎週自分の決められた練習日に練習を行い、キャンセルが出ればキャンセル待ちにまわってきます。(特にカリキュラム等は無く、自由に練習しています)
ヘルピングポイントとは、ボートのメンテナンスやレース運営の手伝いをすることで、自分が所属するチームにポイントを貯めることができ、そのポイントに準じてランキングがつけられ、練習日の希望やローカルのレースへのインビテーションも優遇されます。

Sailing in Copenhagen

とにかく町の中心地から近く、この時期は22時頃まで明るく気候も過ごしやすい為平日に人がよく集まります。 マッチレースセンターのあるSKSもこの時期になるとメンバーが集まりクラブライフを楽しんでいます。 決して敷居が高すぎないのも若者が集まりやすい秘訣なのかもしれません。

家族想いのディレクターの Jorgen→
いつも笑顔で迎えてくれます


SKS以外にも、コペンハーゲンの中心地から海沿いを北上すると、約20キロおきに幾つものヨットハーバーが続きます。 地形的に非常に海抜が低い事もあり海岸線でも風があまり乱れない為、どのハーバーも出て目の前の海面でも風が安定しており、 気軽にセーリングを楽しむ事ができます。水深も浅くアンカーラインは5〜6メーターといった所です。 対岸のスウェーデンも手が届く程の距離に位置しており、あまり外洋の海流が入ってこない事もあり塩分も非常に薄く、 殆ど湖といった感じです。

地元の大手ビール会社のTuborgの工場跡地(中心地から車で20分程)がウォーターフロントとして再開発されており、 その中にKDYが新しくヨットハーバーを建設中です。
2007年にはFarr40の世界選手権が新しいヨットハーバーで開催される予定になっています。

ページトップへ


www.matchrace.gr.jp is better viewed with: Macromedia Flash 6+
Copyright©2006,"日本ヨットマッチーレース協会(JYMA)" All rights reserved